ドイツの理学療法士(PT)の資格取得後、研修制度

oma toshi
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こんにちは。

ブンデスリーガで働くoma_toshiです。

日本でもそうですが、鍼灸師・理学療法士の資格取得後はどんな勉強をするの?

と思われる方もいます。

日本もドイツでも勉強するのは自由!

しかし、ドイツ人のほうがその後の研修に行く人がほとんどです。

なぜなら給料が上がるし知識も増えるから。

更なる資格を持っていれば給料交渉に有利になったり、キャリアアップに繋がるからです。

現在、僕の所属するチームにはドイツ人理学療法士の方も働いています。

今回は僕の周りにいるドイツ人理学療法士が資格取得後、どのような研修を行うことが多いか実例をもとに紹介していきます。

※僕は日本の理学療法士でも、ドイツの理学療法士でもありません。

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ドイツ理学療法士資格取得後、研修制度

Sportsphysiothrerapie(スポーツフィジオテラピー)

スポーツに関わって仕事をしたいと考えている理学療法士は受講しています。

日本と同じでスポーツに関する知識を学ぶので、実際にすぐに実践できるかどうかは別の話みたいです。

先日もこういう会話に。

Aさん


日本でこういう勉強したの?

Aさん


私は研修を受けたけど、そこまで事細かくは勉強していないよ。

oma toshi
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日本でも同じだよ。

深く勉強するなら自分で学ぶしかないんだよね。

ドイツのスポーツチームの求人をみていると、スポーツ理学療法士の取得が絶対条件ではありません。

募集要項で多いのは、少なくとも2~3年の(レベルの高い)競技スポーツで働いた経験がある事。です。

理学療法士の資格と経験さえあればスポーツチームで働く事は可能だとおもいます。

Manuelle Therapie(マニュアルセラピー)

簡単に言えば関節モビライゼーションです。

スポーツ業界で働く理学療法士のほとんどはこの研修を積んでいます。

Manuelle Lymphdrainage(マニュアルリンパドレナージュ)

老廃物や異物を取り除くためにリンパの流れを活性化させる治療法です。

スポーツ現場では医師からオーダーされることもあります。

手術後すぐで身体を動かせない時や、怪我をしてとても腫れている時などに使われます。

ドイツ人理学療法士でも研修を修了する人もいれば、しない人もいます。

実際、研修を修了していないチームの理学療法士に質問しました。

oma toshi
oma toshi

リンパドレナージュは受けなかったの?

Bさん


学校のカリキュラムで少し学んだけど、受けないことにした。

Bさん


20分の治療時間で決まった流れで治療するのは面白くないやん。

ドイツのリンパドレナージュ療法には、この部位の次はこの部位などある程度順番が決まっています。

技術・経験を持った人なら、独自のやり方があるかもしれません。

スポーツや整形外科領域に興味があった同僚はリンパドレナージュを受講しないということでした。

Osteopathie(オステオパシー)

筋肉や神経だけでなく、内臓も含めて全身を調整していく治療法です。

上手に説明するのは難しく、東洋医学の感覚的な部分を解剖学用語を使って説明できる治療法。

全然違うと言う人もいるかもしれませんが、こういう説明が個人的にはしっくりきます。

しかし、オステオパシーを治療として行うにはハイルプラクティカーの資格が必要です。

ドイツ人理学療法士はオステオパシー(4~5年)を受講し、今後ハイルプラクティカーの資格取得を目指すという方が多いです。

Heilpraktiker(ハイルプラクティカー)

ハイルプラクティカーに関してはこちらを参照

ドイツの鍼灸事情

その他

PNF療法や小児リハなど数えればキリがないほどの継続研修があります。

日本の研修制度

日本の理学療法士の資格取得後は

新人教育プログラム → 認定理学療法士 or 専門理学療法士

という流れで認められた教育プログラムを受講することが可能。

認定・専門理学療法士取得後の給料はアップするか?

おそらくしないところがほとんどだと思います。

ちなみに鍼灸師や柔道整復師の場合

資格取得後は研修プログラムは用意されていません。

個人的には、これは大きな問題だと思っています。

その理由
①国家資格取得者はより良い医療を提供する。
②資格取得者の差別化を図り、給料を底上げする。

資格取得後は興味ある事を自由に勉強できることは良いこと。

しかし、医療業界の事情を知らない人たちは治療を行う人をプロだと思っています。目の前にいる人は何でも知っている専門家だと思います。

鍼灸師や柔道整復師は特殊な治療技術を持っている人も多く、統一するのは無理です。

学校で勉強する資格取得のための知識ではなく、最低限の知識は持ちましょう。

そしてそれが評価される社会を作り、給料を上げましょう。

ということを言いたいです。

まとめ

ドイツ理学療法士の資格後の継続研修について紹介しました。

自分の働きたい分野に合わせて追加で資格を取りに行く。

技術の差はもちろんありますが、資格を取れば給料も上がるシステムはとても良いシステムだなと思います。

逆に考えればドイツで理学療法士だけの資格保持なら給料は良くないということです。

日本も統一した研修等がもっと発展していけば業界の発展にも繋がるのではないかとドイツのシステムを見て思います。