先日、ケルンに所属している平野選手も出演する動画が流れました。
#DieLiga ist bunt! Wir sind Vielfalt!#DDT20 #DiversityDay #Vielfaltverbindet pic.twitter.com/g5rKPbOWvQ
— DFB-Frauenfußball (@DFB_Frauen) May 26, 2020
Wir sind Vielfalt.
直訳すると「私たちは多様性です。」
理解はできますが、文章はしっくりきません。
ここに翻訳・通訳の難しさがあります。
〈翻訳と通訳の違い〉
翻訳は、ある言語で表現された物事を、他の言語に変換して表現しなおす作業です。これは「通訳」でも同じです。語学力が必須スキルである点も、翻訳・通訳に共通しています。
翻訳は、文書に書かれた文章を他の言語で記述することを指します。通訳は、口頭で述べられた文章をそのつど他の言語で表現しなおすもので、「書き言葉」と「話し言葉」という大きな違いがあります。
翻訳の作業は、より適切な表現を志向し、文章に推敲を重ねるといった点が比較的重視されます。これに対して、通訳は、臨機応変にその場・その時の意思疎通を仲立ちしてコミュニケーションを成立させることが重視されます。
表現は人によって違う
表現するのに正解はありません。
僕が先ほどの文章を表現するなら、「人それぞれ多様性があります。」という文章がしっくりきます。
たったの1行の文章ですが、人によってしっくりくる表現があると思います。
例えば
辛い、塩辛い、しょっぱい、塩分が強い…
日常でも人によって感じ方も違い、表現が違います。
更に外国語を訳すとなれば、自分の解釈を入れないほうが良いと考えてしまい、どうしても直訳になって変な文章になっていることが多いです。
文章に隠れているニュアンスを自分の言葉で理解するには、原文を読むのが一番です。
スポーツ現場の場合、監督の意図を理解する
監督の意図・背景を理解しないといけない。
監督が
もっと自信を持って。
ポジショニングに気をつけて。
など選手にアドバイスを送ったときに、
自信を持ってシュートなのか?ドリブル?チームを引っ張る?または、どんなポジショニングなのか?
どういう意図をもって監督がその発言をしているか、を理解して選手に伝える。
そして選手が表現する。
選手が表現できなかったら、伝わっていないのと同じ。選手が戦術を理解していないからと試合に出れないかもしれません。
伝言ゲームのようにいつの間にか違う言葉が伝わっていることも起こり得ます。
なので、通訳する人も専門知識が必要なうえに、監督がその発言をするに至ったの意図・背景まで理解して通訳しないといけません。
これが仕事としての通訳は難しいと感じる理由です。
現地の言葉が大切な理由
ニュアンスの違いを埋める作業が必要。
「少し遅れる。」
「少し」という表現にも人によっては5分なのか10分か違います。
具体的に伝えれば良いですが、普段の生活では抽象的に伝えるほうが多いです。
付き合いが長ければ長いほど、無意識にこの人の感覚はこれくらいなんだろうな、と性格も含め理解することができます。
人を介して理解するより、直接コミュニケーションを取るほうが圧倒的に早いです。
それと同時に、現地の言葉を話す努力をしていると認めてもらうことも大事です。
なので、習得には時間がかかりますが現地の言葉が話せればニュアンスの差を埋めれると思います。
まとめ
動画を見て翻訳って難しいなと感じました。
それぞれの語彙力・ニュアンスの違い。仕事ならその分野での専門知識や相手が意図していることを伝える必要があります。
ドイツに来た当初は何年か経てばドイツ語を訳すようなこともできるかと思っていましたが、現実はそうではありませんでした。