アスレティックトレーナーのキャリアについて

2019年1月19日の情熱大陸でアスレティックトレーナーが取り上げられます。

今まで裏方として働いてきた人が日の目を浴びるようになったのは嬉しい反面、どんな内容になっているのか楽しみと不安が入り混じっています。

年齢が30歳にもなるとアスレティックトレーナーとしての今後のキャリアについて考えるようになります。

今回はアスレティックトレーナーという職業を紹介し、僕の過去も紹介します。

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アスレティックトレーナーとは

スポーツ現場で選手がケガをした時の処置やスポーツに復帰するまでをサポートしたり、ケガを予防する仕事です。

スポーツドクターおよびコーチとの緊密な協力のもとに、競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーションおよびトレーニング、コンディショニング等にあたる。

日本スポーツ協会より

日本スポーツ協会の調べによると現在4139名が登録されています。(令和元年10月調べ)

少なくない?スポーツで業界で活躍している人はもっといるでしょ?

と思う方もいるかもしれません。

それはアスレティックトレーナーの資格が1998年から事業認定という最近認められた民間資格だからです。(歴史について詳しくはこちら)

以下、普及していない理由を説明していきます。

普及していない理由①:資格を持っていなくても仕事ができる

スポーツトレーナーに国家資格はなく、スポーツ現場で仕事をするには資格が無くても仕事をすることが可能です。

資格が無くても仕事ができるならわざわざ取得する必要はないですよね?

日の丸を背負ってオリンピックでスレティックトレーナーとして仕事がしたいのであれば資格が必要になります。

しかし、プロスポーツで仕事をしている人でもアスレティックトレーナーの資格を持っていない人もいます。

普及していない理由②:講習を受けるのが難しい

アスレティックトレーナーの講習を受けるには大学や専門学校などの養成校に行くか日本スポーツ協会が主催する養成講習を受講しないと試験受験することができません。

社会人の場合、

来年受講したいから応募してみよう。

なんて不可能です。

日本スポーツ協会が主催する養成講習は定員100名程度で、国内の競技団体協会からの推薦が無いと受講することができません。

例えば、1年に1人○○県サッカー協会から推薦をもらい講習を受けるという形になります。

マイナースポーツで業界内に大きな力を持っていないので推薦枠がありません。ということもあり得ます。

1998年から認められたのにも関わらず、それまで働いていた人や働き始めてから資格を知った人は資格を取得するのに高いハードルが待ち構えています。

その分、学生は学校で必要な単位を取得すれば試験が受験可能になります。

普及していない理由③:試験が難しい?

残念ながら試験の合格率は発表されていません。

合格率はおそらく20%以下で、2019年は355名の方が合格しています。

試験は筆記試験と実技試験。

筆記試験に合格すれば実技試験に駒を進めることができます。

僕は学生時代は「受かれば良いな~」なんて気持ちで受験し不合格。

社会人1年目は「絶対合格する」と意気込んで合格。

資格がなくても仕事ができるため、軽い気持ちで受ける人も多いのも事実。

学生なら本気を出せば合格できると思います。

僕は学生時代に少し勉強していたから良かったものの、社会人で働きながら一から勉強するのは…

こういう理由からアスレティックトレーナーがそれほど社会で認知されていません。

アスレティックトレーナーの年収

資格を持っていても給料が上がるわけではありません。

第1回 日本のトレーナー実態調査より

このグラフはフルタイム、パートタイム、教育機関での年収ですが729名中303名が年収1万~100万円に該当しています。

半分近くの人がトレーナーとして年収100万にも満たず、他で仕事を持っているということです。

もちろん、日本代表やプロスポーツでの仕事は年収もそれなりに貰うことが可能だと思います。

プロのスポーツチームはどのくらいありますか?

受け皿が少ないのが現状です。

僕は働きながら社会人サッカーチームでトレーナーとして活動した経験がありますが、報酬は交通費程度の支給であくまで経験を積むためでした。

報酬が少ないなかで専門知識を活かしての活動は、初めは楽しいですが途中からしんどいこともありました。

2年ほどの経験でしたが、長くできるかというと無理だと思いました。

報酬を貰えるということは評価されていること。しかし、評価されていても利益が出ていないチームでトレーナーに報酬を払うのは難しいです。

正直、それがアスレティックトレーナーの年収の実態調査の現状かなと思います。

アスレティックトレーナーの求人はどうやって見つける?

プロのスポーツチームは人伝えに求人情報を発信しています。

稀に公募しているチームもありますが、求人のほとんどは人伝え。

公募して何十件の履歴書を精査するより、信頼できる人を介して何人かを精査するほうが労力が少ないという利点があります。

そして、人伝えだとある程度キッチリしている人が来るというのも利点でしょう。

それはドイツでも同じ。

プロチームの求人は人を介して募集しています。

アスレティックトレーナーとしてのキャリア

働く時間に対して収入はさほど多くないというのが現状。

だからこそ、他の仕事を持っていることも多いです。

鍼灸整骨院を経営しながら、病院で勤務しながらなどいろいろなパターンがあります。

昔、○○チームで勤務もしくは○○選手を担当していました!と自分の診療所を持っている人もいるでしょう。

家族ができると働き方も変わる?(おそらく)

僕はもし家族を持つと働き方を変えたいです。

体力勝負でもあるこの仕事は60歳になっても若い時と同じ働き方は難しいかもしれません。

キャリアについての不安

人それぞれ働き方はありますし、活動時間や給与形態など詳細な情報は知らないので何とも言えませんが…

情熱大陸で特集されると聞いた時に「ん?紹介しても良いのか?」と一瞬頭をよぎりました。

現状ではその正体をうまく説明することができません。

森部さんがtweetしているような疑問が核心を突いているのではないかなと思います。

 

~ここからは僕の過去について~

興味のある人は読んでください。

覚悟を決めれなかった大学時代

僕は関西医療大学で鍼灸とアスレティックトレーナーの勉強をし、大学時代は進路についてとても迷っていました。

(以下より、スポーツトレーナー・トレーナーという表現も使います。)

大学で時間を過ごすにつれて

スポーツトレーナーだけでご飯を食べて行けるのか?

と考えるようになり、そんな話題が周りでもチラホラ上がりました。

その中でも、覚悟の決まった同級生は

みんなスポーツトレーナーで飯を食っていけないと言ってるけど、俺はトレーナーで飯を食っていく。

と言っていました。

その同級生は現在もトレーナーとして生計を立てています。

それくらいの覚悟があれば自分の望むポジションに就ける、もう既に学生時代から大きな差がついている。と今は思います。

同学年と言えば誰?と考えたときに真っ先に名前が出てくるくらいにならないといけません。

スポーツトレーナーも良いけど、治療も面白そう。

僕はそう考えていました。

鍼灸の考え方である東洋医学も面白いなと思いつつ、東洋医学とスポーツって融合できないのか、実践しているところはあるのかと就活をするときにも探しました。

当時は見つけることができず、就職先は紹介していただいた整形外科に就職することになります。

もし、東洋医学とスポーツを融合している場所を探すんだ!と覚悟を決めていればまた違った道になっていたかもしれません。

だからこそ、大学時代はふらふらしていたなという印象です。

仕事環境面で充実していた整形外科勤務時代

整形外科勤務時代は仕事も楽しく、職場の人にも恵まれとても充実していました。

スポーツをしている選手がケガをして、再びスポーツができるようにサポートする。

医者、理学療法士と一緒に働く貴重な経験もできました。

仕事として臨んでいた環境で働く事ができました。

職場の影響もあり、アスレティックトレーナー資格取得を目指そうと覚悟も決めることができました。

業務内容は願ってもない環境。

そんな退職した理由はドイツへ渡るにつれて準備したかったからです。

何歳まで続けられるか?家族を養えるか?

と考えたときに限界が見えていまい、遅かれ早かれ退職する日が来ることを感じていました。

体力的にキツかった整骨院勤務時代

朝に家を出て夜中に帰宅という整骨院時代でした。

もちろん昼休憩はあります。

職場まで1時間はかかるということもあり、

家出発6:30
到着から掃除7:30~8:10
朝オープン8:30~12:30
休憩12:30~15:30
夕方オープン16:00~21:00
片付け21:00~22:00
帰宅23:00

激務でした。

夜終わってからミーティングなどがあると、終電にギリギリ間に合うという日も。

僕はトレーナー活動していたので、週一回特別に休みを貰っていました。

休みを貰っていたため給料は整形外科勤務時代よりも低かったです。

この時期は給料も大事だけど休みも大事だと実感した時期でもありました。

整骨院は病院と違って自分の売り上げを確認できるということが利点です。

実際、僕の売り上げはほぼ最下位…

ほんとにこれがこの人にとって正解なんだろうか

そんなことを考えながら仕事をしていたので、結果も当然悪い。

今ではそう思います。

そういう時代もあってドイツに来ました。

以降の出来事についてはブログ内で発信しています。

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まとめ

情熱大陸で特集されるアスレティックトレーナーの職業についてや僕の経験してきたことを紹介しました。

現在はサッカー女子ブンデスリーガで勤務できていますが、僕でなければダメだった。

というより、使い勝手の良い人がたまたまタイミングよくチームで長く在籍していたから。

それが日本人で、たまたま僕だっただけの話。

雇用して良かったと思われるように語学も含めて、少しずつできることを増やしていきたいです。